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走る芸術品"デコトラ"の魅力に迫る!文化と歴史、最新の動向を徹底解説

  • 執筆者の写真: carweskia
    carweskia
  • 2024年8月29日
  • 読了時間: 7分

更新日:1月2日

デコトラは装飾された荷物運搬車両の総称です。飾り付けの歴史から最新の動向まで、華やかな"デコトラ文化"の魅力に迫ります。ドライバーの個性が詰まった芸術作品とも呼べるデコトラの世界を、写真とともにご紹介します。

デコトラ

はじめに

日本の道路を走る巨大なトラックの中には、目を引く装飾が施されたものがあります。それが「デコトラ」と呼ばれる、日本独自の文化です。デコトラは華やかな装飾によって、荷物運搬の単なる作業用トラックを芸術作品のようなものへと変貌させます。本日は、デコトラの歴史や文化、現在の状況について詳しく解説していきます。


デコトラの歴史

デコトラの起源は、トラックの錆を防ぐための実用的な目的から始まりました。しかし次第に、デコトラは単なる装飾を超え、ドライバーの個性を表現する手段へと変わっていきました。


1970年代のブーム

デコトラが一般に広く知られるようになったのは、1970年代に公開された映画「トラック野郎」シリーズの影響が大きかったと言われています。この映画の人気とともに、デコトラの認知度も高まっていきました。

当時のトラックドライバーたちは、競って早く目的地に到着することを目指していました。そのため、トラックを装飾することで、自身の存在感やプライドを主張する傾向がありました。また、デコトラの装飾により、最大積載量が減少するため、一定の節税効果も期待できたそうです。


第2次ブーム

1980年代に入ると、専門誌「カミオン」の創刊によって第2次デコトラブームが到来しました。この時期には、デコトラのスタイルも多様化し、様々な個性的な装飾が登場しました。

一例としては、ガンダムをモチーフにしたデコトラや、モダンアートのような抽象的な装飾が挙げられます。デコトラは単なる装飾を超え、ドライバーの趣味や嗜好を表現する芸術の一種へと進化していったのです。


規制と新たな動き

しかし、デコトラの装飾が過剰になりすぎると、安全性の問題が指摘されるようになりました。警察による取り締まりや、企業のコンプライアンス意識の高まりから、近年ではより地味な飾り付けが主流になってきています。

一方で、デコトラ界では新しい動きも見られます。例えば、デコトラのイベントに特化した車両の製作や、チャリティーイベントの開催など、デコトラ文化を守り続けようとする試みが行われているのです。



デコトラの装飾

デコトラの魅力は何と言っても、その華やかな装飾にあります。装飾の素材や手法は様々で、ドライバーの個性が存分に発揮されています。


一般的な装飾

デコトラに施される一般的な装飾には、以下のようなものがあります。

  • ペイント (ボディーや窓ガラスなどに様々な模様や絵を描く)

  • 照明部品の追加 (ネオン管やLEDライトなどで華やかさをプラス)

  • ステンレスやクロムメッキの装飾部品 (ミラーやバンパーなどに取り付ける)


特殊な素材の利用

他にも、水産業で使われる「ウロコステン」と呼ばれる素材を使った装飾もあります。このウロコステンは、もともと魚の鱗を防錆加工したものでしたが、デコトラの装飾にも活用されるようになりました。

近年では、デコトラの装飾にコストをかけすぎないよう、リサイクル素材を使うケースも増えてきています。例えば使用済みのアルミ缶をリサイクルして装飾品を作るなどの工夫が見られます。


アート性の高まり

デコトラの装飾は、単なる派手さを超え、アート性の高いものへと進化してきました。中には、ガンダムやモダンアートをモチーフとした芸術的な作品も登場しているのです。

このようなアート性の高いデコトラは、イベントなどで車両展示会が開かれ、多くの人々を魅了しています。デコトラは、もはや単なる装飾を超えた芸術文化へと変貌を遂げたと言えるでしょう。


デコトラ映画

デコトラ文化は、映画作品を通じても広く知られるようになりました。特に「トラック野郎」シリーズでは、デコトラが大きく取り上げられ、人気を博しました。


「トラック野郎」シリーズ

1970年代に公開された「トラック野郎」シリーズは、デコトラが広く一般に知られるきっかけとなった作品です。この作品では、デコトラのドライバーたちの人情話が描かれ、荒々しい男気あふれるストーリーが人気を呼びました。

「トラック野郎」シリーズを通じて、デコトラは単なる装飾を超えた文化として認知されるようになりました。装飾されたトラックは、ドライバーの精神性や個性を象徴する存在だと捉えられたのです。


「新デコトラのシュウ 鷲」

2021年7月には、12年ぶりに「デコトラ」シリーズの新作「新デコトラのシュウ 鷲」が公開されました。哀川翔さん主演の本作は、デコトラの世界観を色濃く残しつつ、新しい要素も取り入れた作品となっています。

ストーリーの概要は、主人公の飛田鷲一郎がデコトラのイベントで出会った歌手のために父親探しを手伝うというものです。本作では、デコトラ文化に加え、ダンスバトルなどの新しい要素も取り入れられています。


デコトライベント

デコトラ文化を支える上で欠かせないのが、デコトラのイベントです。全国各地で開催される大小のイベントを通じ、デコトラ愛好家たちが交流を深めています。


大規模イベント

帯広市で開催される「デコトラ集結イベント」は、デコトラファンにとっての一大イベントです。全国から約200台ものデコトラが集まり、装飾品のオークションなどが行われます。

特に夜のライトアップは見どころの一つで、華やかに装飾されたデコトラたちが輝きを放ちます。一般の人々も無料で観覧できるため、デコトラ文化に触れる良い機会となっています。


チャリティーイベント

最近では、デコトラのイベントがチャリティーの場としても活用されるようになってきました。例えば、交通事故で親を亡くした子どもたちを支援するチャリティーイベントも開催されています。

デコトラドライバーたちは、自身のトラックを装飾する趣味を通じて得た喜びを、社会貢献の形で還元しようとしているのです。デコトラ文化は、単なる装飾を超えた、人々を結びつける役割を担っているのかもしれません。


カスタマイズの交流の場

デコトラのイベントは、単に車両を展示するだけでなく、装飾のアイデアを共有する場にもなっています。ベテランのデコトラファンから、カスタマイズのコツを教わったり、新しい装飾の発想を得ることができるのです。

このようにデコトラファン同士が交流を深めることで、デコトラ文化は受け継がれていくのです。イベントを通じた情報交換は、デコトラ文化の発展に欠かせない要素と言えるでしょう。



まとめ

デコトラは、もともと実用的な目的から始まった文化です。しかし時代とともに、トラックを装飾することは単なる個性の表現を超え、アートの領域へと進化していきました。規制の影響もあり、近年ではデコトラの装飾は地味になりつつありますが、イベントなどを通じて文化は受け継がれています。

デコトラは、日本の荷物運搬文化の中から生まれた、世界に誇れる独自の文化です。その歴史や現在の姿を、多角的に理解することができました。目を引く華やかな装飾の向こう側に、ドライバーたちの誇りや人間性を感じ取ることができるはずです。デコトラ文化の継承と発展に、今後も期待がかかります。


カーウェス

よくある質問


デコトラとはどのようなものですか?

デコトラは、日本独自の文化で、トラックを華やかに装飾したものです。単なる荷物運搬用のトラックを芸術作品のようなものへと変容させ、ドライバーの個性を表現する手段となっています。


デコトラの歴史はどのようなものですか?

デコトラの起源は実用的な目的からはじまりましたが、次第に装飾を超えてドライバーの個性を表現する手段となっていきました。1970年代の映画「トラック野郎」シリーズの影響で一般に広く知られるようになり、1980年代にはデコトラの様式が多様化していきました。


デコトラの装飾はどのようなものがありますか?

デコトラの装飾には、ペイント、照明部品の追加、ステンレスやクロムメッキの装飾部品の使用、ウロコステンなどの特殊な素材の利用などが代表的です。近年では、リサイクル素材を活用したオリジナリティーの高い装飾も見られます。


デコトラ文化はどのように受け継がれていますか?

デコトラ文化は、全国各地で開催されるイベントを通じて受け継がれています。大規模なイベントやチャリティーイベントが行われ、ドライバー同士の交流を深めることで、装飾のアイデアを共有し、文化の発展につなげています。

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